【なぜ読んでみたか】
去年までの僕の生活は日本に住んでいるのにニューヨークの時間にいるくらい、めちゃくちゃなバイオリズムでした。
(実際、ヨーロッパに出張に行ってるときのほうが元気に朝から動くことができた)
毎日、朝まで飲んで夕方起きて、用事を済ませてまた飲む。
ひどい二日酔いで一日中動けないことが週に1回ならば良い方。
週に4日以上飲まないというめちゃくちゃ低い目標すら守ることはできなかった。
そんな生活だったが、とあるきっかけでジムに行き始めてから、ほぼ独学ではあるが
体作りや仕事や生活のパフォーマンスをあげることに喜びを感じるようになってきた。
体調が良いということが分かることで、あれで普通だと思っていたがめちゃくちゃ体調が悪かったんだなと逆にわかった。
そういう気づきを得れたのは今後の人生においてもとても有意義なことだった。
とりあえず思いついたことはやらないと気が済まない性分もあり、パフォーマンスをあげる情報を調べるようになった。
ちょうどその時にアンチエイジングを目指すための情報がたくさん載っている有名なブログを知った。
アンチエイジングという言葉にはそこまで興味はなかったが「身体のパフォーマンスをあげることによって人生の質をあげていく」という内容に惹かれて即購入して読んでみた。
【どんな本か?】
・「パレオな男」という健康やアンチエイジングに関する文献を紹介してくれるブログを運営している鈴木祐(ライター/編集者)さんが書いた本。
・食事、運動、メンタルなど体調を良くするための方法がたくさん書いている。体に関することだが外部要因(食事や環境)だけでなく内部要因(メンタル・思想)についても言及し、その体におよぼす効能が書いている。
・現代人は生き物として世界にフィットしてないので原始的な生活を取り入れると調子いい感じになるよと提案してくれている。
・タイトルの通り最高の体調にするための「具体的な方法」が書いてある。
・どの方法も科学的に実証された研究結果を元に書かれているので筆者の経験談でこうやったらいいよという曖昧さがない。
【感想】
実践するためのガイドが分かりやすい
それぞれの章で非常に具体的な実践編が用意されており、行動につなげやすいのが非常に良い。
しかも巻末の方には「どの順番でそれぞれのどの項目を実践をしていけばいいか」まで書いてくれている。
その通りにするだけでいいので「結局どうしたらいいの?」とならない。
このような情報は「やるか」「やらないか」につきるので、少しでも「やる」に近づけてくれるのは怠け者の僕にはとても嬉しい。
健康にいいものを食べて運動しよう、、だけではなかった
序盤には炎症や腸内環境を整えるといった健康に関してそれほど知識のない僕にも「なるほど確かにそうだよね」と頷ける内容だった。
この本で一番「そうか!人生のパフォーマンスを変える根本的なことなのに言語化や意識をあまりしてなかった気がする、これは健康とか言ってる場合じゃねぇ」
と本来の主題である健康な体とかいいから、これ先やっとかんとダメだと思わされたのが第6章「価値」と7章「死」というチャプターでした。
(もちろんこれも最高の体調を作るために必要な要素です)
価値
第6章「価値」では漠然とした不安による健康への悪影響を無くすための指針が書かれています。
ざっくり言えば「何かしたい、何か欲しい(WHAT)」ではなく「人生をどのように生きるかを考えること(HOW)」が価値観であり、それが未来のイメージと乖離しすぎるのは不安の元になるということです。
欲望と違い何かが足りているとか足りていないということは価値に影響を与えません。
不安になると体のパフォーマンスに悪影響がある→生きるべき価値を定めて未来との自分との乖離をなくすことで不安に対抗することができる
体調のための本だと思いきや辿っていくとそういうところまで行くんだなと驚かされます。
人生哲学とでも言うのか普段こんなことばかり考えすぎても考えすぎなくても健全ではなくなりそうな壮大な問題です。
しかし、この本ではちゃんとその辺りの価値を自分で導き出すためのテストも用意してくれています。
実際にやってみました。(詳細は記載しませんので興味がある方は書籍を見てやってみてください)
価値評価スケール
自分の価値を置く項目の重要度、一致度に点数をつけていきます。
これによって自分の価値観にどれだけ寄り添って生きているかを数値化することができます。
僕が一番、乖離がひどかったのは家族と結婚・恋愛でした。
これだけ書くと人格が破綻している人と思われそうです。
PPAレーティングマトリックス
自分が現在行っているプロジェクト(仕事でもプライベートの目標でも何でもよい)を書き込み14項目の内容(重要度など)に10点満点で点数をつける。
最後に全項目を足して、どのプロジェクトが自分にとって重要かを見る。
上位5位は仕事関係が3個と習慣関係が2個になりました。
プロジェクトの上位分析
上記で出てきた上位5位のプロジェクトを「なぜやるのか?」を5回以上辿っていく。
例えば、プロジェクトが「投資」だった場合
投資→(なぜ?)安定した利回りを得るため→(なぜ?)金銭的、時間的余裕を得るため→(なぜ?)好きなことができるため→(なぜ?)自分のライフスタイルを邪魔されずに保ちたい→(なぜ?)心の平安を得るため
というようになぜを上位概念に適用していくと5回か6回で価値に相当するものに行きつくというものです。
ちなみに面白いのは実際やってみると仕事や趣味で全く違う事柄でも5回目か6回目で同じことを求めているという結果が出ました。
出てきた価値観は
・新しいモノや場所へ到達する
・平安を得る
・人の内面に関わる
すべてのプロジェクトが突き詰めるとこのあたりに収まっていました。
初めてやってみたがとてもおもしろい結果です。本書の中には上記以外にも色々な分析ツールが用意されています。
死
漠然とした不安ではなく無意識の恐怖はどうすればよいのか?
この辺りのページを読んでいると、この本が体調を良くするための本というのを忘れてしまいそうです。
解消方法としては解決策というわけではないですが、それを折り合いをつけるために原始仏教の考え方を紹介しています。
解脱するのは実用性がない(ほとんどの人には)ので「畏敬の念」と「観察」を使うのですがこれも僕にとっては新鮮でした。
畏敬の念を感じると不安や体内の炎症レベルが下がる
この本で最も感動した研究結果です。
素晴らしい雄大な自然、灌漑深い映画、アート、音楽。それらが人の体に数値としてこのような結果を及ぼしてくれるのです。
僕が若い時に悩み事があるときに宇宙の動画を見ては「宇宙でけぇ」「俺の悩みや存在などなんて小さなことか」と思っていたのは本能的にこれで癒されるということを感じていたのかもしれません。
今の状態をありのままに感じる
自己観察している状態とは「その時の感情を自覚している」「今の状況に集中できる」「つねに自覚的に作業を行う」という状態を指します。
そんなこと当たり前だと思う人もいるかもしれませんが、例えば暖かい飲み物を飲んでいる時にその飲み物が舌に触れる感覚やカップの取っ手の質感を感じたりしてますか?
僕はあまり意識したことがなかった。
シャワーをしながらオーディオで情報を聞き、食事をしているときもニュースを見たり、本を読んだり、携帯をいじりながら食べたりすることが時間を有効に使うことだと思っていました。
多くの人が未来に心を奪われてこのひとときを本当に生きることができていないのです。
このひとときを本当に生きることにより、いかなる現象とも自分の感覚が切り離されて感情や欲望に巻き込まれなくても済むようになります。
実際、実験でも不安などが解消されるそうです。
その状態に至るための実践する内容も多く掲載されていたので、是非実践してみたい。
ちなみにこういったマインドフルネスな状態になっているか調べるMAASというテストも書かれていたのでやってみたが、平均以下のマインドフルネスという結果が出た。これはもう上げていくしかない。
【実践してみたこと】
読んでみて実践できていることは下記の項目だが、良いと思うことを毎日やるのは気持ちがいい。
・毎日部屋の喚起をする
・朝ブルーベリーとヨーグルトを食べる。夜に納豆を食べる
・夜にココアを飲む
・フルーツを一個食べる
・観葉植物(ポトス)をリビングと事務所に置く
・家から事務所まで歩く
・アウトドアな人になるためキャンプの本を買う
・睡眠の効率をあげるサプリを飲む
やろうと思っていたがまだできていないこともある。
・遮光カーテンを買う
・夜はデジタル機器に触らない
・メールの確認時間を決める
・空気清浄機を買う
・タスクを3にまとめる
・プロジェクトのメタ分析
【まとめ】
習慣を続けて身体や頭のパフォーマンスをあげたい人で、とにかく具体的なリストがあれば愚直にできる人におすすめできる本です。
習慣にするには人によっては訓練が必要(まぁやるだけなんですが)かもしれません。
いくつか良い習慣を続けることができているので僕にとってはとてもよかったです。